皆様こんにちは、ライター高橋です。今回は「クラシックに興味があるけど、一体どんな曲があるんだろう?」といった方に向けて初めてでも聴きやすく、尚且つ深い感動を得られるクラシック作品を紹介したいと思います。


J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番 ト短調

クラシックといえばやはりこの偉大なる人物の作品紹介しないわけにいきません。J.Sバッハは17世紀~18世紀にかけて活躍したバロック音楽を代表する作曲家です。この作品は、前奏曲と5曲の舞曲によって構成されています。中でも前奏曲は、誰もが一度は耳にしたことがあるかと思います。お気に入りのワインを片手にこだわりのオーディオで聴きながら目を瞑れば、そこにはきっと雅なる宮廷での一時が広がるでしょう。


W.A.モーツァルト フィガロの結婚より「恋とはどんなものかしら」

モーツァルトといえばトルコ行進曲や交響曲が有名ですが、モーツァルトを語るに当たって何と言っても外せないのがオペラになります。フィガロの結婚を始め、魔笛やドン・ジョバンニなど、200年以上経過しても色褪せない名作を数々残していて、個人的にはモーツァルトといえばオペラなんじゃないかとも思います。
この作品はフィガロの結婚に登場する小姓のケルビーノのアリアです。思春期の少年が恋について語るというなんとも見ていて微笑ましい様子ですが、オペラの内容自体はモーツァルトらしくとてもドロドロとした愛憎劇になっていて、ユーモアに満ちています。


L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ第23番「熱情」

続いては古典派の巨匠、ベートーヴェンの作品です。ベートーヴェンは何と言ってもその構成力が魅力で、ベートーヴェンより後の作曲家は皆揃って彼の影響を受けて作曲していると行っても過言ではありません。この作品は、ピアノ音楽の歴史においても非常に重要な32曲のピアノソナタの中の1曲です。いわゆる作曲人生において中期に作曲されており、ベートーベン自身も自画自賛する作品であります。その完成度は32曲の中でも特に洗練されいて、心の動きが丁寧かつダイナミックに表現されています。


F.シューベルト 魔王

音楽の教科書でもおなじみ、シューベルト作曲の魔王です。シューベルトはドイツリートの発展に非常に貢献しており、歌曲の王とも呼称されています。この作品は深夜、家に向けて馬を走らせる親子と、それを追いかけて子供を攫おうとする魔王のやりとりが表されています。1人で4人の登場人物を歌い分ける必要があり、表現力を繊細に使い分けなければならないために非常に難易度の高い作品になります。


F.メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲

バッハ作品の復活上演など、数々の功績を持つF.メンデルスゾーンによって作曲された作品になります。3大ヴァイオリン協奏曲の一角であり非常に情熱的な1楽章、情感溢れる2楽章、華やかでウキウキした気分になれる3楽章と、どこをとっても素晴らしい作品です。


F.ショパン バラード1番

ピアノの詩人と言われるロマン派の大家、ショパンの初期の作品です。バラードはショパンが確立させた物語的な要素を強く持った作品になります。今回紹介する1番は、ナポリの和音という特殊な和声から始まり、甘美な場面や劇的な要素を併せ持ち、非常に情感溢れる作品となっております。またバラードの中でも人気が特に高く、フィギュアスケートの羽生結弦選手をはじめ様々なメディアや作品などで取り上げられています。


F.リスト ラ カンパネッラ

名ピアニストとして名を馳せた、F.リストの作品です。この作品は、同時期に活躍していたヴァイオリニストのパガニーニの作品をピアノ用に編曲した「パガニーニによる大練習曲」の中に含まれています。ピアノの高音部を用いて澄んだ鐘のような透き通っていて輝きのある音をとても素晴らしく表現しています。辻井伸行さんやフジ子・ヘミングさんなど、数々の名ピアニスト達のレパートリーとしても愛されています。


C.サン=サーンス 死の舞踏

フランスの作曲家、サン=サーンスの作品です。12時の鐘が鳴り響き、日がまた昇ってくるまでのひと時に開かれる死者のための舞踏会を表現しています。死者というどちらかと言うと暗いイメージのあるモチーフをこれでもかというほどコミカルに表現していて、非常に喜劇的要素の強い作品となっております。


A.ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より

国民楽派として知られているドヴォルザークが、アメリカに滞在していた際に作曲した作品です。アメリカという新世界より故郷に向けて作曲したものとされています。中でも2楽章と4楽章が非常に有名で、2楽章の旋律は家路や遠き山に陽は落ちてなど様々な作品に引用されています。


P.サラサーテ ツィゴイネルワイゼン

スペイン出身のヴィルトゥオーソ、サラサーテによって作曲されたヴァイオリンの小品になります。非常に劇的で様々な技巧が張り巡らせられている作品であり、民謡や大衆音楽などのメロディを用い、情熱の迸る名作になっております。日本では映画監督の鈴木清順氏が同名の映画を撮影し、物語の中で重要な役割を持っていたりと人気の高い作品であります。


C.ドビュッシー 喜びの島

全音音階の確立などで評価されている、ドビュッシーの作品になります。ヴァトーの絵画 シテール島への船出に影響を受けたとされていますが、当時ドビュッシーは結婚していたにも関わらず、ピアノを教えていたとある娘の母エンマと浮気をして逃避行と言う名のバカンスに出ていたということから、その不倫劇でハッピーな気持ちを表しているのではないかと思います。きらびやかな海面の様子や照りつける太陽など、幸せそのものを表しているかのような高揚感に溢れた名作になります。


M.ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ

ドビュッシーと双璧をなすフランスの大家、ラヴェルの管弦楽作品になります。ラヴェルの作品は総じてノスタルジーというテーマがあり、この作品もその様子を色濃く持っています。パヴァーヌはルネサンス期に用いられた貴族の間での舞踏会での踊りです。この曲を聴きながらふと外を見ると、遥か昔どこかの見知らぬ国でのささやかな一夜を夢見ることができるでしょう。


S.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

ロシア出身でリストと双璧をなすピアニスト、ラフマニノフによる作品になります。ロシアの荘厳な気候の中に美しい教会の鐘の音が響き渡るかのようなこの作品は、前作が酷評されてしまったラフマニノフ起死回生の作品でもあります。(前作も初演が失敗に終わっただけで、素晴らしい名作です)ピアノとオーケストラがお互いに引き立てあいながらドラマティックに展開される1楽章、まるで日の光のさす木陰での懐かしい思い出のような2楽章、壮大なスケールで表せられる大地と、ファンファーレのような華やかなフィナーレを持つ3楽章と、全体を通して非常に聴き応えのある作品となっています。


G.ホルスト 惑星より 木星 快楽をもたらすもの

イングランドの作曲家ホルストによって生み出された組曲「惑星」の中の一曲です。主に金管楽器による気品高く響の強いメロディによって、木星の壮大さが表現されています。また、中間部がとても美しく、様々な曲に引用されています。
ホルストの死後から知名度は徐々に落ちていたのですが、カラヤンが復活上演させて一躍人気曲になったことでも有名です。


I.ストラヴィンスキー 火の鳥より 凶悪な踊り、子守唄、フィナーレ

バレエ音楽の大家として有名なロシアの作曲家、ストラヴィンスキーによる作品です。火の鳥をはじめ、ペトルーシュカや春の祭典など様々な名作を残していて、年代によって作風が大きく違うのも特徴です。この作品は全編素晴らしいのですが、中でも様々な楽器編成に編曲されるなど、取り上げられることの多いのはこの3曲です。特にフィナーレは、後の映画音楽などにもつながるようなメロディや楽器の使い方がなされていて、魅力的な作品です。

おわりに

クラシック入門編の名曲紹介、いかがでしたでしょうか?ここで紹介した作品は、数ある名曲の中のほんの一部ではありますが、これらの作品をきっかけによりクラシック音楽というものに親しみを持っていただけたらと思います。

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ピアニスト・音楽家 主にクラシック音楽に関する事柄を執筆いたします。