初心者向けカップ&ソーサーの買い方

はっしー

時は柔らかい快晴の日差しが差し込む午後2時……
R氏が何時にも増して渋い表情でアイフォンを眺めていたので、つい何があったのか訪ねてみました。
私「なんかあったんスか?」
R氏「いやさぁ、友人から可愛いマイセンのトリオ買いました!ってライン来たんだけどさ」
R氏「それがヤフオクでトリオで17,000円って言うんだよ。今、そんなの無いよって返事した」
私「あぁ〜(やっちまったな)」

送られてきた写真を見るとシェイプが完全にイギリスにある形状で、ひと目でマイセンで無いことが分かりました。
(※トリオ=カップとソーサー、ケーキプレートが一対になったもの)

カップ&ソーサーの偽物を掴まない

初心者が失敗しがちなのが、ネット通販で偽物を掴んでしまうことです。
百貨店で高額で売っている食器が、ヤフオクやメルカリで50~80%オフで売られているのを見て「これはお得!」と買ってしまうのです。もちろん売っている物の中には正規品の素性の良い商品もありますが、特にマイセンは偽物が多く流通しています。

カップ&ソーサーの流通経路は二種類ある

これは他のブランド品にも言えることですが、国内正規品と並行輸入品が存在します。例えば三越や伊勢丹などの百貨店に並んでいる洋食器は全て正規品(正規輸入品)です。本国と契約を結んだ代理店を通すので品質が保証されます。
例えばウェッジウッドは2017年よりフィンランドの「フィスカース」と言うグループ会社が経営しています。ロイヤルコペンハーゲンやイッタラなども傘下に収める大企業です。そして日本の正規品は、その支店である「フィスカース ジャパン株式会社 (Fiskars Japan Co., Ltd.)」が運営しています。百貨店の場合はその正規代理店から仕入れを行っています。

並行輸入品とは?

一方で「二本の剣」や「ル・ノーブル」などの洋食器量販店は正規品だけでなく、並行輸入品も販売しています。これらは日本の正規代理店や商社を通さずに、本国から直接買い付けを行って中間コストの削減をしています。つまり正規品と同等でありながら30%~50%オフというように安い価格で売っているのです。
しかし並行輸入品の中には、稀に品質基準が甘い商品が混じっている事もあります。むしろ日本の正規代理店や百貨店の品質基準が厳しすぎるため、カップに僅かな黒点(焼成で生じる1ミリ以下の点)でさえB旧品して跳ね除けることもあるのです。これらが三井アウトレットパークや三菱地所サイモンのプレミアム・アウトレットなどに、アウトレット商品として並ぶのです。アウトレット商品の中には、販売を終了した終売品やアウトレット向けオリジナル商品なども含まれています。
量販店で安く売られている並行輸入品であっても間違いなく「本物」なのです。

では偽物のケースはどんなとき?

主にインターネットオークションやフリマアプリに流通しています。デタラメなデザインの食器をバックスタンプ(食器裏のマーク)だけを偽造するケースと、実在するモデルを似せて偽物を作るケースの2つに分かれます。
R氏の友人は前者の、元々存在しないモデルをマイセンとして掴まされてしまったようです。しかし後者となると実在するモデルのため、鑑別には少々知識を必要とします。

例えばこちら、「Meissen マイセン風 アラビアンナイト 千夜一夜物語 カップ&ソーサー 2客 柄違いセット」。
この出品者は親切な方で、タイトルに「マイセン風」と入れてあることから、初めから偽物と知って出品しているようです。

マイセン/アラビアンナイト コーヒーC/S(23582)はユーロクライシスという販売店では、定価¥450,000+税 35%OFF ¥292,500+税で販売しています。ペアで643,500円です。こんな代物を素性の分からず、「恐らくマイセンだと思います。マイセン風です。」と出品している事自体がおかしいのです。結局このオークションはペア7万円程度で落札されていました。

マイセンの偽物の判別方法は?

このカップは非常に分かりやすく、網目状のプリントが金彩に被るように貼り付けられています。本物は筆で点描のように緻密にハンドペイントされています。ですが凝った偽物は筆で描いている場合もあるので、マニアでないと見分けられません。
高額のシリーズ物で写真のような網目状のプリントは100%偽物です、また金彩の色味も混ぜもののある鈍いゴールドです。セーブルなども偽物が存在します。
オークションやフリマアプリで食器を買う時は多少注意が必要です。できれば初心者のうちは実店舗があるところで手に入れるのがお勧めです。

偽物でなくともサイズの勘違い、写真の撮り方によって「デミタスカップ」や「モカカップ」を高い値段で買ってしまうこともあります。出品者も意図的に勘違いさせるように、アップの大きな写真を掲載することもあるのです。
色や雰囲気が届くと違うということもザラです。フォトショップなどで色を濃い目にしてあったり傷を消している可能性もあるのです。

アンティーク・ディーラーが分かってないケースも

現行品であればどのショップで買っても基本的には同じなのですが、アンティークになると千差万別、コンディションや価格など様々です。中でも販売員が商品を正しく理解していないケースもあるのです。
どういうことかというと、カップ&ソーサーのアンティーク品の情報は車などと比べて正しく整理されていないのが実情です。つまりバックスタンプの形で年代を推測したり、パターンや図柄から時代、生産国を推測している時もあるのです。

優秀なアンティーク古物商であれば、パターンブックと言ってその食器ブランドの当時のカタログなどを所有していて、本当にそのシリーズが存在していたか照合して確定します。しかしそれでも種類が多すぎて網羅されていないこともあります。何千客と扱っているアンティーク・ディーラーでもブランド名を間違えてしまう事も存在するのです。
特にバックスタンプの無いカップ&ソーサーは、有名なモデルで無い限り柄や形状、素焼きの土の色などから想定するしかありません。

アンティークの実用問題

ネットショップで「キャビネットカップ」と呼ばれているカテゴリがあります。これはチョコレートカップと違って、キャビネットカップ=棚に飾る用途の食器、という意味です。実用は向いていませんよ、という意味が含まれています。
なぜかと言うと30~50年以上も前のカップ&ソーサーだと貫入やヒビなど細かな傷が入っていて、コーヒーの色が染みてしまったりします、最悪のケースでは熱湯を入れることで割れてしまうこともあります。
ウェッジウッドの例では、黒い壺のバックスタンプの時代は実用できますが、緑や茶色の古い時代のものは割れやシミのリスクがあるのです。

アンティークの場合は中性洗剤で優しく洗えば良いですが、金彩を使っていることも多く漂白はできません。しかし裏ワザとしては綿棒に漂白剤を漬けて、金の無いシミの部分だけタッチして色染みを落とす技もあります。ただし時代が古くなるに連れてうまくいく確率が減ります。

(※ロイヤルコペンハーゲンのヘンリエッテにそっくりな模造品。良くできたもので、ハンドペイントで絵付けされています)

それでも可愛ければいい

色々と解説してみましたが、可愛ければいいのです!
但し大枚はたいて手に入れた気に入りのマイセンが実は偽物だった…なんてのは悲しいですし、本物の魅力は本物にしかないのです。そんな訳で初心者の人は、食器を買う時は上記の解説を参考にしてみて下さい。

リナシメントストアがお勧め!

リナシメント公式ストアではアンティークの可愛いカップ&ソーサーを数多く販売しています。
コンディションなどの問い合わせもできますので、ぜひチェックしてみて下さいね。

おすすめの記事