迂闊にハロッズのアフタヌーンティーに行ってはいけない

はっしー

わずか数日という短いロンドン滞在でしたが、十年前には気が付かなかった「階級社会」を強く感じる旅行となりました。ある日本人と同伴の旅行をしましたが、その人物は国内では上流階級で、銀座に毎日通って好きな物を買って、好きな食事ができるような生活を送っています。

そこでロンドンの旅行と買い物に同行したのですが、初日から衝撃を受けることとなりました。ホテルはChelsea(チェルシー)とKingsbridge(キングスブリッジ)の中間に位置する五つ星ホテルに泊まり、宿泊の費用も1泊10万円以上というロイヤルスイートルームの一つ下のグレードの部屋に宿泊しました。さぞかし快適な滞在だったとお思いのはずですが、これが驚くことに部屋もそこまで広く無く50平米弱、対応も日本で言うニッコー程度のサービスです。トランクケース5,6個を部屋に運んでもらいチップを渡しましたが、チェックアウト時には往復1万円近くのポーターチャージが掛かっています。
様々なサービスに対して費用が発生するのは理解できますが、ホテル付属のレストランも料理が全く美味しくないのです。

これには本当に驚きました。わずか数日の宿泊で50万円近く支払いをしても思うようなサービスを受けられません。旅の後半はKensington(ケンジントン)にある別の5つ星ホテルに宿泊しました。こちらはサービスも良いのですが、料理のレベルは納得できず、安全性は高いものの格別のサービスを受けれるわけではありませんでした。
つまり本当に理想的なサービスを受けるにはThe Ritz London(リッツ・ロンドン)のPrince Of Wales Suiteなど1泊100万円近く支払わないと相手にされないという事です。中流階級で自身の執事が居ない場合は、バトラーサービスの付いている部屋に泊まらないと好きな時にお茶を入れてもらうことさえ難しいのです。

もう一つの出来事はこうです。その人物は日本では三越や伊勢丹といった百貨店で自由に買い物をしていますが、ロンドンのハロッズでは”買える物”が余り無かったのです。
例えば食器売場に行くと、12人用のカトラリーセットが100万円以上します。可愛らしいハンドペイントのティーカップセットが200万円で売られています。1,000万円以上する壺が無造作に置かれているのです。
シャンデリアやリビング・ダイニング用品など一式揃えるのであれば、数千万円以上のコストが必要となります。1階にあるラグジュアリーアクセサリーでは一度も見かけたことのない大粒のダイヤモンド。私はアクセサリーには詳しくないのですが、500円玉に近い大粒の宝石がガラスケースに列になって並んでいます。

桁違いに資産に余裕が無いとハロッズで快適に買い物をするのが難しいということです。今日は買い物したなぁと実感するには1日で数千万円用意しないと、2~3アイテム買って予算が終わってしまうのです。
そのように桁違いの富裕層でないと、ロンドンの買い物旅行が何とも言えないモヤモヤとした感覚に包まれる事となります。

日本も70年前まで華族という近代日本の貴族制度が存在しました。しかし法の下の平等で貴族制度の禁止がされ、現在では”元華族”と名乗る人は居るものの実質的な階級社会を感じる事はありません。しかしイギリスでは階級社会が現存しており、ロンドン中心地区は4つの貴族によってその殆どを所有されています。そして5つの爵位、1500余りある全ての貴族は”Her Majesty”の為に存在しているのです。こうして実際に”ある程度の旅行”をすると常々実感させられます。つまり端的に言うと女王陛下の役に立つ者しか快適な生活ができないということです。

語学や芸術など明確な目的を持ち渡英するのなら無問題ですが、明確な目標も無く表面的な美しさに憧れた旅行者がハロッズやザ・リッツでアフタヌーンティーをするのはお勧めできません。どちらも真のアッパークラス層を対象にした施設でありディズニーランドではないのです。黒いハロッズカードを持った客が買い物疲れを癒やすための場所であって、アトラクション気分でインスタグラムの為に訪れるべきではないのです。

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