cherry blossom

私達の知っている桜と違って小粒の花弁が枝先まで密集しています。
香りが強くパフュームのような濃厚さがあります。イギリスに来て思うのが、その場に合う香りというのが存在する事です。

例えば英国製であるCREEDのROYAL MAYFAIRは、ロンドンのウェストミンスター、ナイツブリッジを歩く時には信じられないほどぴったりの香りがします(もちろんメイフェアも)。
この小ぶりなチェリー・ブロッサムは形は似ていても日本の桜とは全く異なり、川の畔の若草に溶け込む調和のある香りなのです。

宿の近くに住み着く猫。水飲み場があっても餌は余り貰えてないみたいです。
西日が差し掛かるころ、口にネズミを咥えて駐車場の真ん中で遅い昼食を取っていました。

「何を食べているの?」
駐車場を通りがかった宿の管理人が私達がそう尋ね、とっさにRatと答えました。
「あら、ごめんなさいね」と笑いながら去ってゆきました。

TESCO

夜になりテスコで飲み物を買って、さっそく前日に手に入れたアンティークを開封します。
スターリングシルバーのトレイと陶器の花瓶をさっそく宿に忘れて帰りそうになりました。
四月下旬でもコッツウォルズは夜になると冷え込みます。暖炉に薪をくべてマッチで火をつけると体の芯から温まります。
エアコンの空調と違い遠赤外線でどこ座っても暖かく談笑は夜まで続きました。

翌朝はロンドンとも異なる濃霧に包まれ、遠くから大きな鳥の鳴き声が森に響き渡ります。
時折慌ただしくランドローバーが道路を横切るほかは静まり返っています。憂鬱な朝ですが空気は透き通って呼吸もしやすいです。
この日は雨が降ったり霧に戻ったりを繰り返しながら、夕方には美しい天気に変わりました。

四月のイギリスは信じられないほどに夜が長く、10時を回ると一気に暗くなります。
日本ならおそらく5時か6時には真っ暗になりますが、イギリスでは9時位までは快晴で子供も外で遊んでいます。
住んでいる国によって生活のペースや時間が異なるのは当たり前だと強く実感させられます。

わずか数日のロンドンとコッツウォルズの旅行でしたが、ツァイスで見たイギリスは感性を取り戻すのには十分な情景でした。

 

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。