みなさまこんにちは、ライター高橋です。今回は「クラシックを初めて聴くならどの公演がいいだろう?」という方や、「コンサートって初めて行くけど、どんな雰囲気かわからなくて少し不安だなぁ」といった方に向けて、公演の選び方や覚えておいた方がいいマナーをレクチャーしたいと思います。

サントリーホール公式HPより

初めての演奏会選び

それでは早速公演を選ぼう・・・と思っても色々ありすぎてわからない!といった状況になるかと思います。クラシックといっても楽器編成(ソロ、室内楽、オーケストラ、etc)や時代(バロック、ロマン派、etc)、作曲家(モーツァルト、ドビュッシー、チャイコフスキー、etc)など数多くの組み合わせがあります。中には初心者には聴きづらいのではないかと思う組み合わせもいくつかあったりするので、それらを簡単にまとめたいと思います。

楽器編成

初めての方には「オーケストラ」のコンサートが良いと思います。ピアノやヴァイオリンのソロや、弦楽四重奏などの室内楽によるコンサートは好みがより顕著に別れる傾向にある為、自分の好みがどういった演奏なのかが把握出来るようになってから選択するのが良いかと思われます。

曲目

初めてのコンサートの場合、曲目に関しては自分が知っているものを選ぶ方が多いかと思いますが、中には全く耳にした事がない曲を選ぶ場合もあるかと思います。そこでタイプ別にオススメの作品を紹介いたします。

クラシックを語るには外せない、王道の作品を聴きたい!

といったにはベートーヴェンの「交響曲」がオススメです。全部で9曲あり特に第3番「英雄」や第5番「運命」、第9番などが有名です。どの作品もそれぞれ素晴らしい作品であり、交響曲ないし音楽の一つの到達点とも言えるので全てのクラシックファンに愛されています。

華やかで美しい作品を聴きたい!

そんなあなたにはドビュッシーの「海」がオススメです。特殊な技法によって楽器一つ一つの音がまるで光り輝く大海原のように繊細かつ神秘的に再現されていると共に、海の持つ雄大さを示すかのような絶対的な構成力を持ち合わせてる名作になります。

何と言ってもボリュームのある作品を聴きたい!

というあなたにムソルグスキーの「展覧会の絵」がオススメです。冒頭をはじめ様々な調によって要所要所で現れるプロムナードと、それぞれ絵画をモチーフにした作品が交互に現れ、作品ごとの曲想や緩急差を楽しめつつ、最後の「キエフの大門」によって壮大に締めくくられます。

いざ、演奏会へ・・・の前に

どの公演にするかを決めて「さぁ、出発だ!」と意気込みよく準備を始めた時に多くの方が蹟かれるのが「そういえば、クラシックのコンサートって一体何を着ていけばいいんだ?」という問題です。昔の名残が大きいのかもしれませんが、クラシックのコンサートは「堅苦しい」というイメージが付いている為、服装に関しても悩まれる方が多いのです。

結論から言いますと、何を着ても良いのです。

と言うのも、ドレスコードが指定されている演奏会は日本においてはほぼありません。なので中にはTシャツにデニムと言うお客様も大勢いらっしゃいます。基本的にどんな服装でいらしても気にする事は全くありませんが、演奏家の立場として唯一ご遠慮願いたいと言えるものがナイロン素材などでできている「シャカシャカ」と音のなる衣服です。クラシックは何と言ってもそのきめ細やかな音色が第一です、それらの繊細な様相を恍惚と聴いている隣で現実に引き戻すかのようなシャカシャカ音を出され続けられるのはたまったもんじゃないと思います。他にもアクセサリーなどの金属類もあまり過度につけすぎないなど、なるべく音のならない衣服を選ぶよう気をつけて頂けたら幸いです。

なんでもいいとはいえ、せっかくだし着飾って行きたい!

と言う方も多いかと思います。実際非日常の体験の場として、少しおしゃれをして演奏会に行くというかたもとても多いです。

男性の場合いつものお仕事スタイルではなく少し艶のあるドレススタイルが良いかと思います。

とはいっても、赤や黄色といった奇想天外なスーツやジャケットが良いと言うわけではありません。もともと社交界の場としても活用されていたと言う経緯もありますので、品のある装いを心がけましょう。例えばCesare AttoliniやLuigi Grimaldiなどの上質な生地で仕立てられた品の良いものに、E.MARINELLAやTIE YOUR TIEなどの優雅で上品な柄ネクタイやチーフを合わせ、少し華やかな程度にとどめておくのが洒落者と言えるでしょう。

女性の場合も、お仕事で着られるスーツよりは少しフォーマル寄りのワンピースなどが良いでしょう。過度な露出のあるものは避けて、上品でかつ艶のあるものをお召しになられるのが素敵です。また、パートナーなどの男性と行く場合は、あらかじめ自分が何色の服を着るかを軽く伝えておくのも良いでしょう。男性は女性の服装に合わせて自分のコーディネートを調整してくれるはずです。

いずれにせよ、「おしゃれしたい」と言う気持ちが前に出すぎてあまりにもドレスアップしすぎると返って周囲から浮いてしまう事があります。ですので、男性も女性も「いつもより少し上品なスタイル」と言う事を心がけるのが良いかと思います。

会場にて

さて、いよいよ会場に到着しました。ここまでくるとこれといって気をつける事はもう特にありません。強いて言うならば、クロークのあるコンサートホールの場合はコートや荷物は預けてしまいましょう。と言うのも、日本のコンサートホールの多くはS席だろうとC席だろうと座席の幅はほとんど変わりません。なので、なるべくゆったりと演奏を楽しむ為にも預けた方が懸命です。また、座席はかなり複雑になっておりますので、迷ってしまった場合気兼ねなくレセプショニストに尋ねましょう。

簡単なマナーといたしましては、クラシックのコンサートでは、演奏中の出入りは基本的にNGです。そのため、急な尿意などに備えて休憩中にはなるべくお手洗いに行くようにしてください。また、演奏中に音が鳴らないよう、スマートフォンなどの電源は切っておく方が良いでしょう。もちろんヒソヒソ声でも上演中に隣の方と会話をするのもやめておきましょう。しかし、人間ですので咳き込んでしまう事もあります。そういった生理現象に関しては我慢しすぎるのもよくないので、少し控えめにする程度なら良いかと思います。

おわりに

クラシックコンサートの心得、いかがでしたでしょうか?この記事を最後まで読んだあなたは、もうクラシックコンサートで恥を書く事はありません。こういったレクチャー記事なども今後も執筆できたらと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

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ピアニスト・音楽家 主にクラシック音楽に関する事柄を執筆いたします。