ネタが無いので、メモ帳に「恐怖のB型インフルエンザ感染記」と題された内容を今日のリナシメントに書き起こしてみます。これは昨年2019年の5月24日から起きた実話です…。今読み返しても恐ろしい内容です。

地獄への入り口の金曜日

感染は恐らく秋葉原のPCショップ(ソフマップMac Collection)でした。この週は自宅での作業が中心で家から出ることがほとんど無い週でした。しかし急遽マックブックが必要になり車で秋葉原まで行き、目的のパソコンを入手していました。店内は非常に空いていて私と東南アジア人が3人ほど。
レジに持っていき動作確認などしてもらってる時に、マスクも無しに手も当てずにゲホゲホと咳をしながら通り過ぎていく東南アジア人が印象的で、彼らは特に買う訳ではなく店を去って行きました。それから自宅に戻りパソコンのセッティングなどを行いました。

少しおかしい?土曜日

翌日になると何となく調子が悪く、食事も少ししか食べれずワインも全て残して寝ることにしました。軽い寒気とダルさを感じたので、葛根湯とビタミンCを数錠飲み身体を温めて寝ました。風邪の場合は、この方法で翌朝にはスッキリ治ってる、なんて事が多々あるのです。初期症状は風邪に似ている感じでした。この日から病院の日まで家から一度も出ていません。

大量の発汗と筋肉痛が…日曜日

朝から晩までベッドの上に倒れて大量の汗と筋肉痛が身体を襲います。運動会の翌日どこの騒ぎではなく、肩や背中一面が収縮しているような、引きちぎられるような痛みです。バスタオルをシーツの上に敷きますが、3時間程度でお風呂出たときに使ったくらいに、ぐっしょり汗で濡れます。絞れるくらいに汗が出てきます。
夜の記憶は全くありません。

原因不明の月曜日

連日の体温38度代で、これは風邪とは違う、と思い近所の内科に受診します。6月にも差し掛かろうとしてるので、この時点では誰もインフルエンザだとは思っていませんでした。内科は日射病の疑いがある学生等がいて1時間ほど待ち、診察内容は3分程度。「風邪かインフルエンザだけど、検査しても結果が出ないと思う、分からない」と説明を受けて、抗生物質が処方されました。病院からフラフラ歩きながら帰宅しましたが、同じような病気の人は大変だと思います。真っ直ぐ歩くのさえ苦しい状況でした。
リナシメントの著者でもあるK氏と会う予定を急遽キャンセルさせてもらい、寝込むことに。

業火に焼かれる火曜日

前日からピークの辛さで、頭痛、筋肉痛、39度の発熱で意識が朦朧とします。とにかくスポーツドリンクだけは飲みますが、バスタオルが1日で5枚ぐっしょり湿る汗の量で過去のA型インフルエンザより遥かに凶悪です。
夜は痛みで眠れず、意識が朦朧としながら、ただ時が経つのを待つしかありません。
まるで毒に掛かった動物が丸くなって死を待つような心境でした。朝の4時頃に背中の痛みがピークを迎え、極度の筋肉痛を温めて刺激するような痛みで、少しでも動くと激痛で悲鳴が出てしまいます。汗の蒸れで腕を1センチずらそうとすると激痛が走るのです。なんとか体位を変えずに保冷剤の氷で冷やしますが、痛すぎて寝れずに他の全身痛と発熱も襲って来ます。
これ以上悪化したら自力で助けを呼べないと思い救急車を呼びました。過去には救急車を呼んだ事がないですが、この時ばかりは生命の危機を感じました。救急車が到着した時には頭が更に朦朧として、会話することも困難な状況でした。口と手が痺れ怖かったのですが、これは余り問題は無く、救急隊の人に過呼吸が原因だと教わりました。頭が考えるのを停止している状況で、息をすることしかできません。

立ち上がるのも困難な状況で、救急隊員2名に肩を借りながら廊下の担架までゆっくりと進みます。病院に搬送されると当直医が診療してくれてインフルエンザだとと判明しました。検査キットでB型の陽性が出ます。
まるで飴を飲み込んでお腹が痛いと言っている子供のような扱いで「今から出来ることは無いから家で数日安静にね」と追い返されます。決して病院が悪い訳では無いですが、真っ直ぐ歩くのも難しいまま、朝の病院前に投げ出されタクシーで帰路に着きます。もちろんマスクを付けていますが、思考は停止している状況です。
早朝4時よりは僅かに改善していますが、それでも頭はぼんやりと、身体は激痛です。

宇宙にワープした水曜日〜金曜日

今までインフルエンザA型は2回程度(13歳と16歳頃かな?)罹患した事があり、風邪は2~3年に1回引くのですが、過去の病気の中で最も苦しく、信じられないほどに苦しい症状は今回は初めてでした。

生きる気力をガリガリと削っていきます。インフルエンザA型は身体が「抵抗しよう!」という意思に満ち溢れ、3日もすれば回復に向かって、ウイルスが体から抜けていくのが心地良くさえ感じたのですが、B型はダラダラと大量と精神を追い詰め、ウイルスに身体をコントロールされている感じで本当に辛くて怖いです。現実と幻覚の境界があいまいなのでベランダで涼しい風に当たろうとして、そのまま落ちてしまう人が居てもおかしくありません。タミフルでなくてインフルエンザ自体が異常行動です。
月曜日から金曜日までずっと全身が痛く、何が現実で何が夢(寝ている時)なのか区別がつきません。

Dies iræ, dies illa
solvet sæclum in favilla:
teste David cum Sibylla

Quantus tremor est futurus,
quando judex est venturus,
cuncta stricte discussurus

怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。

審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。

Dies irae 怒りの日 / ヨハネの黙示録

数々の異常体験をする

味覚障害が出る
野菜炒めを食べているのですが、砂を食べている感じで味がしません。塩も砂糖も何も味が分からないのです。それだけでなく食後に歯磨きしたのですが、いつも使っている歯磨き粉の味が360度違うのです。「未知の宇宙的な味」とメモが残っていますが、デンターシステマの400円の歯磨き粉が宇宙の味に変わります。恐らく味蕾からの神経伝達がウイルスの影響で、視床や味覚野の部分に正確に伝達できず未知の味に変化して感じたのだと思います。

計算ができなくなる
簡単な数字の計算もできなくなります。1+1は分かっても12+4は時間をかけないと分かりません。パソコンのセーフモードのような状況になっています。

単語が出なくなる
これは少し後遺症がありますが、言語野異常でブローカ野に異常をきたします。脳内で理解していても、いざそれを発音しようとした時に固有名詞が出なくなったりします。ウェルニッケ野は正常の範囲で他人の話を理解することは可能です。後遺症なのか今でも影響があり発音がうまくできないときや、単語が出なくなったり、インフルエンザ前よりも確実に悪影響が出ています。

最近読んだ本の内容を思い出せない
近い記録が断片的になり、最近読み終わった本の表紙を見ても内容が思い出せません。読み終わったという事しか覚えていないのです。これは完治してからは症状が治り、内容もスムーズに思い出すことができます。

幻覚症状が続く
遠い過去の記憶が断片的に出てきたり、幼少期の記憶がツギハギになって回想されます。それが現在と混じって見えるので控えめに言っても地獄です。古今東西の映画をツギハギしているような状況です。

異常な発汗が数時間ごとに訪れる
発汗には波があり3時間〜5時間ほどで、収まったり酷くなったりを繰り返します。体の下にバスタオル1枚、上にも1枚敷いていますが、それでもぐっしょりで、Tシャツの間にフェイスタオルを挟んでみますが、首が汗でタオルで絞れるほどです。

吐き気とアスピリンがほとんど聞かない
吐き気があるのに何も出ないという気持ち悪さ、また発熱しているのにアスピリンが殆ど効きません。
インフルエンザに使える解熱剤は限られているので、処方されたものだけを試しているのですが、熱が収まりません。かなりの苦しい状況です。

脳がウイルスにコントロールされている
「手の熱、初期数値がズレるとパニックになる」今でこそ何を言ってるか分からないけど、数字がズレるとパニックになって30分おきに目が覚めて、数字を動かしてはいけないと強く念じます。手に数字が浮かび上がり、その数字が進むとパニックになるのです。手のひらに23とあると、集中していないと25になってしまいます、そうなると終わりなのです。
しかし3時間ほどで熱が少し引くと、それが幻覚だと分かり落ち着きます。そんな幻覚が種類を変えて何度も襲い掛かります。

消耗戦で精神を削ります
常に筋肉痛と倦怠感で、トイレに行って帰ってくるだけで10キロマラソンより辛い状況です。
私は一時期、毎日5キロをジムで走ったのですが、トイレの往復の方が体力を消耗します。

このように過去には経験した事のない信じられない症状が出ました。

惑星の衝突 土曜日・日曜日

この1週間は常に苦しくて夜に寝れないので、体感的に1ヶ月~2ヶ月に感じます。
「惑星の衝突」が起こります。寝ていると、特に夜間ですが、夢と幻想が混じって惑星の衝突の幻覚を見ます。自分が存在しない状況で、客観的に傍観しているのですが、巨大な惑星が別の種類の惑星と衝突して大きなエネルギーが生まれるのです。低音の衝撃波に襲われて、というのを何度か繰り返します。

背中の痛みが減ってくるのですが、まだ回復はせずウイルスのコントロール下にある状況です。免疫という軍隊が全て敵に寝返ってしまい、それをわずか10人そこらで返還しようと試みてる感じです。全身が気だるく痛いのですが、手足が自由に動くだけマシと思うしかない、トイレに行くのが少し楽になりました。
寝ていると大きな太鼓の音がします。とにかく低音の不安が現実化しやすいです。イマジネーションで恐怖を感じた事が脳内で具現化する状況です。

Sanctus 聖なるかな 翌月曜日以降

この当たりから急に体調が回復しだし、柔らかい食事が食べれるようになります。まだ味覚が完全に戻った訳ではなく、7割程度に嗅覚、味覚が復活した感じです。
火曜日以降は痛みも軽減して、フラフラしながら日常生活を送れる程度にはなりました。元気な時に戻るには更に翌週の月曜日まで、一週間ほど掛かりインフルエンザ前の生活に戻ることができました。

インフルエンザはバイオテロ

30歳の体格の良い男性でさえ上記のようになるので、子供であれば死者が出てもおかしくありません。バイオテロとしか言いようが無いのです。もし幼稚園児や小学生の多い電車で咳をすれば、安易に何十人にも被害を与える事ができてしまいます。混雑する電車を何本も乗り継ぎ、意図的にマスクせずに咳をするだけで、100人以上巻き込むことさえ不可能じゃないのです。

体力のある大人でも、1週間以上の休みで仕事にトラブルが出たり、試験や大切な予定に出れず人生が狂うかもしれません。人種差別ではありませんが、マスクをせずに人前で咳を巻き散らかすPCショップに居た東南アジア人しかり、マスクせず手で覆う事もしない頭のおかしいテロリストが一定数存在するので自己防衛するしか無いのです。

とにかく人混みや少しでも怪しい人が居たら自己防衛、咳の飛沫をエレベーターのボタンで手に付くだけでも感染のリスクが上がるのです。外には多くのテロリストが居ると思って自己防衛に徹しましょう。

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。