今日は静岡に戻って、某ワイン屋や某バーなどをドサ巡りしていたので簡易的な内容となり、すみません。

現代でこそ、「湿潤療法」や「陰圧閉鎖療法」など、傷口を乾燥させずに治癒する方法が一般的になってきました。「患部環境を被覆し管理された負圧を掛けることによって、慢性の局所創傷の治療を促進させる医療技術」とも言われ、外科を始めとして多くの医療機関でも一般的になってきました。

しかし、20年近く前は「潤い療法」と呼ばれ2001年ごろから形成外科医の夏井睦らに寄って「乾燥させない治療方法」として、学校など小さな単位で提唱されていたのです。当時は現在のようにハイドロコロイド素材が存在せず、ジョンソン・エンド・ジョンソもバンドエイドは乾燥させるものしか販売されていませんでした。今でこそキズパワーパッドといった画期的な商品が出ていますが、2000年前半は誰しもが猜疑心を持ち信用していなかったのです。

当時は、民間療法の延長線上として「潤い療法」は認知され、少し進んだ医療機関や学校など試験的に潤い療法が試されていました。ハイドロコロイド素材が無いので、当時は傷ができた所を水で流して清潔に保ち、すぐにサランラップで多い、体液で覆うことで治癒を早めるという方法を取っていたのです。

私が知る限りでは当時は反対派も多く、傷はヨードチンキなど殺菌剤で消毒してガーゼで保護する事が一般的でした。医療というのは試験的な部分があり、デファクトスタンダード(事実上の表情)になるのも時間が掛かります。例えば昨年ノーベル賞を受賞したオプジーボ 開発者の本庶佑氏。初めのうちはどこの製薬会社も相手をしてくれず、最も近くにあった小野薬品工が試験的に協力してくれたと言います。しかし今では世界中で標準的な治療方法として確率しつつあり、第一三共など他社も免疫チェックポイント阻害薬を開発して、臨床段階にありつつあります、

そういった訳で、初めの内は疑心暗鬼で「本当に効くの?」と言われた技術でも、パラダイムシフトのように治療方が逆転することもあるということです。また私も擦り傷ができた時は湿潤療法でキズパワーパッドを使っていますが、乾燥される時と違って傷の後が残らずに短時間で治癒するので、乾燥させるなんて考えもできません。
湿潤療法は時間との勝負で傷ができてから短期で覆い被さることが重要なので、お財布に常に入れて持ち歩いています。

そして未だにヨードチンキ+乾燥などで傷を治癒している人も多いので、情報が渡ってないとも思います。もっと最新の情報が普及したら良いなと、またこのウェブマガジンでそうした新しい情報を発信してゆきたいと思っています。
もし「湿潤療法」をご存知ない方が居ましたら、検索してみて万一の歳に備えてみて下さい。

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。