新型BMWより「BMWらしい」型落ちモデルの魅力とは

はっしー

Freude am Fahren 運転する喜び

車に求めるものというのは人それぞれで、ブランドに求めるものもまた、人によって異なります。
「BMWと言えば1600/2002だよ!」といった1960年代にルーツを求める人も居ますし、一方で環境対応や自動運転のようなハイテクノロジーを求める人も居ます。私は2012年に初めてBMWに乗って強い感銘を受け、E92型(写真上)を親だと思っているので2005年〜2012年頃のBMWに強い信仰心があり、BMWとは「心地よい運動性能」が全てだと思っています。

最近は余り聞かなくなりましたが、BMWが公式に「駆け抜ける喜び」をキャッチコピーとしてCMなどで活用していたのを覚えている人も多いはずです。ドイツ語でFreude am Fahren シンプルに訳すと「運転する喜び」でしょうか。
これは車の重量配分がFR(後輪駆動)の50:50であったり、直列6気筒の吹け上がりのよい心地よいエンジンであったり、ハンドルを切った方向にスパッと曲がるスポーティーさであったり、といったBMW独自の拘りを「運転する喜び」と表現したはずです。

スポーツブランドから何でも屋に

2010年頃はブランド全体が強いスポーツ傾向にあり、かろうじて”セダン”を延長したワゴンが用意されている程度で、全ての車種が後輪駆動で、そのワゴンでさえ3000cc 直列6気筒のハイパワーモデルが用意されていました。200万円台で購入できた入門向けの1シリーズでさえスポーティーなフィーリングだったのです。

しかし、いつしか「高性能でラグジュアリー」だとか「ゆったり空間の家族向けもあるよ」といった多様性のあるラインナップに移行します。例えば218d ActiveTourerのような完全にファミリー向けで居住空間を広く、燃費良くしたマイルドな家族向けを発売したり、現行モデルには自動運転技術が装着されているものまであります。

BMWはどこを目指しているのか

私には最近の新型BMWについて、不得意な部分をカバーしようとしているので無理が生じているように思います。居住空間では日本のミニバンには絶対に勝ることはできませんし、ラグジュアリーとしてはベントレーやロールスロイスには追いつけません。先日発売された8シリーズなど内装をゴージャスにして、ハイパワーでタイムが出るようにして4WDにする、自動運転や自動ブレーキを付けるなど、どこに向かっているのか全く持って不明です。

この写真は8シリーズの内装ですが、かつてのBMWはもっとシンプルで工業製品然としているデザイン(写真下)でした。慣れていない高級感を演出しようとして空回りしているように思えます。
肝心の運動性能もエンジンパワーや加速のタイムなど、数字に置き換えられる部分は向上していますが、いざハンドルを握って走り出すと心地よさはありません。これでは日産GTRです。

地味でシンプルなデザインがBMWでありドイツ風、といえばステレオタイプと言われてしまいますが、上記のようなデザインが美しいかと聞かれれば、何度問われようと過去のモデルのほうが良いと答えます。

走行性能と内装、外装のデザインは色褪せることない

「運転して気持ち良い」「内装が良い」といった理由は明確に数字に置き換えることはできないのですが、そんな理由で型落ちのBMWは素晴らしいと言えます。コンディションは別として中古車の価格も落ち着いてきて、高年式・低走行車でも100万台で買えるのも良いです。

またMモデルも10年前とは傾向が変化しつつあります。市場がニュルブルクリンクのタイムを要求したり、車に対して過度にスペックを求める為か「速ければいい!」という風潮があります。そうなると小型のエンジン+ターボで馬力を絞り出し、四輪駆動にして伝達ロスを少なくする。絶対的な速さ=運転の心地良さ、ではないので昔のMモデルの方が日常で使うには運転していて楽しいです。

そんな訳で漠然とBMWについて語ってしまったのですが、もし興味があるのなら2010年前後の排気量が3000ccまたは4000ccのモデルに是非とも乗ってみて下さい。無理に飛ばさなくても、少し郊外を走るだけでその気持ちよさは充分に体験できるはずです。

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