自粛生活でもバーでお酒を飲みたい人にお勧め!
外出しなくても楽しめる「おうちバー」の作り方を紹介してみます。

アンティーク家具

おうちバーを作るとなると手始めに「バーカウンターを探そう!」と思うことでしょう。お家時間のブームもあり、ネットショップには手頃な2~3万円のバーカウンターが数多く出回っています。それらのなかには、MDF(中密度繊維板)や集合材に、プリント紙化粧合板やメラミン化粧板、PVC化粧板(木目の柄を印刷した塩化ビニール)を表面に貼り付けただけの簡易的な商品が多く存在します。
なにしろ一枚板の無垢材や、天然木化粧合板で家具を作るとシンプルなデザインでも10万円以上、彫刻が施してあるものであれば30~100万円近くコストが掛かってしまいます。ネットで新品の安いバーカウンターを買っても、「なんか違うな?」となりやすいのは、品質が低いために安っぽく見えてしまうためです。
そこで中古のアンティーク家具キャビネットを選べば元々の品質は高いままに、適度なヴィンテージ感を安い価格で入手できて本格的な雰囲気を演出できます。アンティーク家具も時代や国によって千差万別ですが、イタリアのマホガニー材で象嵌細工が施されているものは特に重厚な雰囲気がありお勧めできます。

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m430695807より引用

 

オークションでも5~8万円程度で本格的なキャビネットがいくつか出品されています。
キャビネットには種類があり、リビング用、寝室用、化粧台など本来ば用途が細かく分かれていますが、基本的に足の長いものはリビング用と考えて良いでしょう。足のないものは寝室用ということが多いです。バーを設置したい所に置き、上にボトルやグラスなどを並べればそれだけで途端に雰囲気が出ます。

オーセンティックバーやショットバーは高さがあるカウンター&チェアが一般的ですが、ホームバーであれば、キャビネット、ローテーブル、一人掛けソファの方がゆったり過ごせます。そもそもハイテーブルやハイチェアはヴィクトリア朝以降の英国では労働階級向けで有産階級では自宅で用いられることがなく、もっぱらローテーブルで寛いだようです。
日本ではLD(リビング・ダイニング)というスタイルも一般化していますが、本来リビング、ダイニング、キッチンが別れているべきです。昔ながらの邸宅で見かけることがありますがダイニング(=食堂)のテーブルで夕食を過ごし、その後にリビングに移動して食後酒を飲んで寛ぐという姿が伝統的です。それを気にしない人が増えすぎたためか、超高級な数億円のマンションでもリビングとダイニングが一体化している部屋もあります。夕食のニオイが残ったままリビングで洋酒を飲んでも雰囲気が出ないのは、そういった事情も影響しているはずです。

部屋の間取りを変えろ!というのは無理な話なので、せめて食事をするテーブルと酒を飲むテーブルを分けることによって気分転換ができます。もちろんローテーブルは直径40cmほどの小さなものでも大丈夫です。

雰囲気のあるクリスタル照明

くつろぐスペースには色温度の管理が大切です。太陽光は約6000K(ケルビン)、ロウソクが約2000Kなど色温度によって与える印象が異なります。青白い光は勉強や読書には最適ですが、食後のくつろぐ時間には不適切です。お勧めなのはロウソクと似たような白熱電球の色です。

お勧めなのは英国ウォーターフォードのクリスタルランプです。何度か個人輸入したのですが、美しいカッティングガラスに光が反射して本当にため息の出る美しさです。
オーセンティックバーの良さは、一人で酒を飲んで黙っているときでも美しいものが店内にいくつかあり、それをゆっくり眺められるところにあります。このようなランプは300〜500ユーロほどで入手できますし、生涯に渡って使えるのでお勧めです。

本格的に演出するのであれば、キャビネットの左右に同じデザインのランプを一つずつ設置すれば海外映画に出てくるセレブの部屋のようになります。家具とランプだけでも一気におうちバーのクオリティが上がるので挑戦してみて下さい。

オーディオ

バーといったら雰囲気の良い音楽が掛かってるのが王道です。
なかには大きなJBLのフロアスピーカーやパラゴン、ラックスマンの真空管アンプなど見ているだけでワクワクするような機材を置いているところもあります。趣味がない限り自宅で本格的な機材は難しいですが、レコードプレーヤーは1万円以下で買えるものもあります。プリメインアンプとスピーカー、レコードプレーヤーを一式揃えると劇的におうちバーが本格的になります。そこまでコストを掛けれない場合は、アクティブスピーカーといってBluetooth接続の簡単再生できるスピーカーが1~2万円で販売されているので、そういったものを導入するのも良いかもしれません。

絵画

やはり絵画といえばクリスティーズやサザビーズなどのオークションハウス。一度は出てみたいものですが富裕層でないと落札どころか参加自体が難しいのです。オークションハウスでなくとも、画廊やギャラリーであれば10万円~50万円ほどで立派な作品を見つけることもできるかもしれません。キャンバス油絵の原画は高価ですが、手彩色の銅版画といった同一の作品が複数あるものであれば、作家が手掛けた15号サイズの”本物”でも額有り5万円で買える場合もあります。
こればかりは好みとしか言いようがないのですが、国内外のアマチュアの原画を買い集めても良いですし、名画の複製画を飾っても良いです。キャンバスジクレーやシルクスクリーンなどプリント絵画であれば、ゴッホでもピカソでも1~2万円で買うことができます。ここで注意すべきなのは2つ、一つは額縁とマット台紙をこだわることです。部屋のインテリアに合うように金銀、いぶし、茶色、木目など雰囲気に合ったもとを選びます。マット台紙の余白は自分で決めれますが、これもクリーム色や真っ白など種類が豊富です。額縁専門店に相談するのも良いでしょう。
もうひとつは寸法です。部屋の高さと横幅に合わせて、大きすぎず小さすぎないものを選びます。特にジクレープリントなど複製画は製法上凹凸がないために原画が油絵の場合は”コピー感”が強く出てしまいます。
例えば日本でも人気の高いクロード・モネ「睡蓮」であれば、実寸ではなく40cm程に縮尺することでコピー感が薄れます。仮に美術館で実物を見たことがある人が来たら違和感を覚えることでしょうが…。複製画といってもパブロ・ピカソのリトグラフなどは本物が手頃な価格で手に入ります。何しろ石版や亜鉛版などにエッジングしたものは同一の絵が何枚も存在するために、オルセー美術館が認証した本人のサイン入りが10~20万円ほどで手に入ることもあるからです。
本当に好きなのであれば無問題ですが、これ見よがしに「ほら、ピカソだよ」というのもバカバカしいので、名画のジクレー、アマチュアの原画なんでも良いですが”絵”が気に入ったものを選ぶのをお勧めします。

花瓶

花瓶と花を飾ると急に高級店のような雰囲気に様変わりします。オーセンティックバーの演出であるのが、入口に花が飾ってあり入店直後に百合や薔薇の香りが漂ってリフレッシュすることがあります。先ほどの象嵌家具、照明が揃ったうえで素敵な花瓶に花が活けてあればバーに負けないお洒落な空間も夢ではありません。
写真のクリスタル花瓶はベルギー製、右の金の家具は先ほど紹介したウォーターフォードのランプの支柱です。カップ&ソーサーはウェッジウッドのパウダーシリーズです。
薔薇は葉の処理をして長めにカットすればフレンチ風に、短めのブーケにすればイタリア風に。数日経ってくたびれてきたら、ハンギング法(吊るす)で薔薇の花弁だけにして、それをコンポート皿(フルーツ大皿)に飾ってキャビネットに載せておけば目にも優しくほのかに良い香りがして枯れた後にも楽しめます。

フルーツ

やはりバーと言えばフルーツ。それもカクテルや盛り合わせなど豪奢なイメージがあります。
おうちバーにも常に2~3種類フルーツを用意しておくと、口直しやカクテル、香りを楽しむことができます。レモン&ライムはカクテルの王道で何にでも使えますし、洋梨などは置いておくだけで甘い芳香があり、熟れれば美味しく食べれて余ったらコンポートにも”転職”できます。何種類かフルーツがあれば写真のようにカットしてカクテルグラスに盛り付けすれば、気分は完全におうちバーです。下のお皿はウェッジウッド、フォークはクリストフルのシルバーです。

小ぶりのメロンであれば、グラスにフワフワのカキ氷を敷いてお月様風にするのも楽しいです。
さり気なくサンルイの花瓶を置けばインスタ映え間違いなし。

並べるボトル

ウイスキーの初心者であれば、「6千円以下で本当に美味しいウイスキーはどれ?同時抜栓した比較レビュー」を参考にしてみて下さい。とくに何のボトルでも良いですが、凝りたいのであればスコットランドの地域ごと蒸留所のボトルを並べたり、ビンテージごとに揃えたりすると楽しいです。スコッチだけでは飽きてしまうのであれば、最近人気が出ているアイリッシュウイスキーやアメリカのバーボンなんかもお勧めです。蒸留酒であればコロンビアやキューバ、プエルトリコ、トリニダードのラム。コニャックやアルマニャック、マールなどのブランデー。グラッパやカルヴァドスなども食後酒に向いています。ジンとウォッカは一本ずつあるとカクテルの幅が広がるので冷凍庫に忍ばせておくと便利です。

ボトルは好き好きに並べれば良いですが、イタリアの高級会員制サロンのような雰囲気を出したければリキュールセットを用いてみてください。気に入った銘柄のボトルを詰め替えるだけでゴージャスな印象を与えます。下の写真のようにチョコレートやチーズなどを取り寄せして添えてみるのも良いですね。

ガラス

やはり、最も手軽に本格おうちバーを実現するには透明で美しいガラスを入手することです。
リナシメントストアには編集部が厳選した美しいグラスが数多く販売されているので、好みの一脚を見つけて下さい。

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お勧めはヴァル・サン・ランベール、これ一脚あればインスタ映え間違いなし。ローマ神話に登場する花と春と豊穣を司る女神「フローラ」が金で描かれています。高級ガラスは特別な日や、大切なゲストと一緒に使っても良いですし、晩酌に毎日使っても飽きることがありません。

本格おうちバーまとめ

いかがでしょうか、入門ではありますが簡単に始められるおうちバーの方法を紹介してみました。
まずは洋酒とグラス、そこからキャビネットや花瓶、ランプなどのインテリアを追加して、気にいるようだったら壁紙や床などを変えていくと本物のバーにも負けないような素敵なおうちバーが完成するはずです。
コロナが収束すれば友達を呼んでお酒を振る舞ってみるのも楽しいと思います。ぜひチャレンジしてみて下さい。

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。