1.観光ツーリストの格好で来店する

観光客の多くはアメリカ人のようなタンクトップに半ズボン、ビーチサンダルのような格好です。
夏のイタリアは暑いので仕方ないですし、コンパクトに旅行をしたい気持ちも分かります。

しかし、半袖半ズボンで教会に入れないのと同じようにリストランテの利用は控えた方が懸命です。何しろ少し高い店だと記念日に利用して、白いクロスの上で2~3万円するワインを空けている人も居るのです。隣の汗っぽいタンクトップの観光外人がガツガツと食事をしていては余り気分が良くありませんね。

できれば綺麗なシャツとジャケットを着ていったほうがいいです。リストランテの対応が明らかに違います。女性の場合も美しいワンピースやドレッシーな雰囲気でヒールを履いてゆくと良いでしょう。
靴も歩き回ると傷つくので、美しい靴と服を食事用、もしくはホテルで慌てて磨くのでもOKです。それだけで素敵な思い出にもなります。事実下の写真のような格好で来店するのも多いのです……。

2.対応が遅いからと言って怒る

ローマでは数多くの韓国人がリストランテに訪れていましたが、注文を取りに来るのが遅かったり、提供までに10分以上かかると何組かが怒鳴りちらして帰ってしまいました。きっと韓国はどの料理店も提供が早いのではないでしょうか。日本人も素早い提供に慣れているので、イタリアの遅い対応にはイライラするかもしれません。
中でも英語で「まだ出ないの?」と催促するのは最悪です。印象が悪すぎます。水も頼まずに食前酒にコカコーラを選んだというのも良い印象ではなかったことでしょう。

入店前から時間がかかることを覚悟して入れば問題ありません。何しろチケット1枚買うのに何十分もかかることのある国なのです。どうしても早く食事をしたければ、開店時間に合わせて予約で入って「お腹がペコペコだから、もう頼める?」と飲み物の段階で料理をオーダーすればスパスパと注文が通るはずです。

3.お水要りません!

贅沢なワインを頼む必要はありません。グラスワインでも全然OKなのです。
しかし、リストランテで着席後に初めに聞かれる「水はどうします?」これは断ってはいけません。

「No , Thank you」なんてのは店からしたら屈辱的です。
「おたくの店では水も頼む価値は無い」もしくは「限界に予算が限られている」のどちらかです。
ほとんどの人は食前、食中、食後のいずれかのタイミングで水くらい飲むものです。二人で750mlの炭酸水を空けるのも自然なことです。

着席後は「Frizzante(天然発泡の炭酸水)」もしくは「Naturale(ガスなしの水)」を頼みましょう。
「サイズは?」と聞かれることも稀にありますが、大きくても小さくても自由です。

水が出ると、その後にワインメニューが来て「ワインは?」、そして料理のメニューがテーブルに運ばれます。
初めからビールが良くてもワインリストを眺めて、頷いた後に「そうだな、今日は暑いしビールにする」程度の言い訳をしてビールを頼むのがイタリアっぽいです。食通や玄人だと出てくる水の銘柄で、その次の料理の味を想像したりして楽しみます。

アメリカ人か小学生でない限りコカ・コーラを片手に食事するのは避けた方が懸命ですね。

4.パスタだけ食べて帰る

店に何度も通って顔見知りなら「今日はパスタだけでもいい?」と笑いながら頼めばいいですが、初めて入った店でパスタだけ食べて帰るはしない方が良いでしょう。よほど観光地のリストランテや空港やショッピングモールの店なら気にする必要はありません。個人店で隠れたところにあるような店であれば、前菜+プリモピアットでパスタを選びましょう。
「セコンド(メインディッシュ)は何にする?」と聞かれたら、「今日はお腹がいっぱいで、食後酒にしようかな?」と言うとスマートです。

ただしフレンチと違ってシェアするのは全然問題ないようで、1人2万円近い高級店でもMezzoやMetaと言えば半分に取り分けてくれます。本来の半分の量なので、前菜2品とプリモ+セコンド+チーズ+ドルチェなど一通り食べることもできます。(しかも値段もやや抑えめ)
イタリアの料理は全体的に量が多いので、食べきれないと思ったら少なめでと注文するとスマートです。

5.クロスパズルのようにレシートを精査する

とあるリストランテで、韓国人のお客さんが男女二人でレシートを一行ずつ確認していました。確かにイタリアではボッタクリが横行していて時にひどい対応を受ける事もありますが、数ユーロのために一行ずつ指摘していては、悪い思い出しか残りません。二人で150ユーロのはずが、300ユーロだったのなら指摘するのもわかりますが、サービス料5~20ユーロ程度請求された事で店と揉めるのは避けるべきです。

日本の高級レストランでも同じ事が起こります。コース料理が1万円だと、二人で2万円だと思いがちですが、実際には料理代+水、食前酒、ワイン代+チーズ代+食後酒*(サービス料+消費税)で4~5万円になる事もあるのです。

同じアジア人でも、なぜ私達が良い対応を受けたのか?

できる限りで良いので美しい装いをする。「イタリア製の服を着た男女が、拙いイタリア語で入店してくる。」これだけでも「その意気はよし」となります。座ったらとりあえず水を注文して、フランチャコルタなどイタリアワインで乾杯する。
メニューを見て「おすすめの料理はなんですか?」とイタリア語で聞き「どれもおすすめだよ!」と笑われる。
もちろん時間が掛かっても怒らない。これだけで良い対応を受けれる確立が極端に上がります。

メインディッシ食べ終わった頃にはお腹がいっぱいで会計をお願いしたのに、デザートと食後酒を無料でご馳走されて、さらには「また来てな!」とサービス料をカットしてもらえたのです。握手をして見送ってくれました。

嘘のような話ですが、もし私が日本の観光地の高級料理店で働いているとして、着物で来店したイタリア人が片言の日本語を話しニコニコと楽しそうであれば、きっとサービスをしてあげたくなるものです。

間違っていてもOK。簡単なイタリア語だけ覚えておこう

予約しています。
Ho prenotato.(オ・プレノタート)

聞かれる事の多い単語   名前・番号
Nome ノーメ? numero ヌーメロ?

二人ですがいい?
Siamo due?(シアーモ・トゥ・ドゥエ)

予約していないのですが、入れます?
Non ho prenotato , Possiamo Entrare? (ノン・オ・プレノタート ポッシアーモ・エントラーレ?)

メニューあります?
Avete il menu? (アヴェーテ・イルメヌー)

〜下さい
Vorrei ~ (ヴォレイ)

おかわり下さい
Un’altra または un altroなど使う。一番伝わりやすいのは、 Ancora (アンコーラ)
Vorrei prendere Ancora questo vino.  (ヴォレイ・プレンダーレ・アンコーラ・クエスト・ヴィーノ)
お互い二杯おかわりしたいのであれば、VinoがViniと複数形になり、Due Vini.と変えればOK。

お腹いっぱいです。
siamo in pieno. (シアーモ・ピエノ)

お会計お願いします。それと、タクシー呼んでください。
il conto per favore e chiamami un taxi.
キアーミで伝わらなかったら、Prendo(プレンド)でもOK。発音を”タッシー”にする。

(本当に美味しくて、店主と仲良くなったら…。)
また明日も来ます、では近々。
Noi verremo domani. A presto.

(もしも不味い店だったら…。)
彼女が眠いから今日は帰ります、会計お願いします。
Ha sonno Tornerò oggi. il conto per favore.

 

大きな声ではっきりと発音すれば聞き取ってもらえますし、コミュニケーションを取ろうという気持ちだけでも伝わります。

 

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。