これまで本誌では様々なレターペーパーを取り上げてきましたが、そろそろ筆者のとっておきをご紹介しましょう。アマルフィの製紙工房、アマトルーダの手漉き紙です。 1. 繁栄と衰退 現代ではすっかり観光都市となってしま…
ステショナリー
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※封蝋の種類や押し方については、拙稿「封蝋のすゝめ」をご覧ください。 はじめに 封蝋の歴史は古く、近代郵便制度が成立するはるか前から、西洋の人々は手紙に蝋で封を施してきました。しかし現代では、郵便の仕分け過程に…
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以前丸の内にある文具店ANGERS bureauを訪れた際、あるノートが目に留まりました。シンプルなくるみ製本でしたが、小口は見事に砥いであり、端正な美を湛えていました。確か表紙には、柔らかい紺色の紙が使われて…
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はじめに 封蝋を押した手紙を送る際、どうしても気になるのが、せっかくの封蝋が割れないかということです。以前お伝えしたとおり、シーリングワックスには、割れやすい伝統的なハードタイプと、可塑性が高く割れにくいフレキ…
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はじめに レイド紙laid paperとは、簾の目が入った紙のことです。今でこそ特殊な紙として扱われていますが、18世紀半ばになめらかなウーヴ紙wove paperが発明されるまで、ヨーロッパではレイド紙が一般…
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はじめに ドイツ南部、オーストリアにほど近いアルプスの山間に位置し、豊かな水を湛える氷河湖、テーゲルン湖――そこからさらにマングファル川に沿い1キロほど北上したところに、一軒の製紙工場があります。ドイツを代表す…
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イギリスのスマイソンSmythson、アメリカのクレインCrane & Co.――欧米各国には、それぞれ国を代表するソーシャル・ステショナリー・ブランドがあります。フランスの場合、そのようなブランドとし…
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フランスの書籍を渉猟していると、時折アンカット本に出会うことがあります。天や小口が裁断されておらず、ページがつながったまま販売されている、あの時代錯誤な本のことです。 Amazon.frでcomme neuf(…