まだまだ海外旅行という状況ではありませんが、写真を整理していて唐突に思い出したので、雑感ではありますが空港の乗り換えについて書いてみます。
トランジット、トランスファーと呼ばれますが、厳密には空港のトランジットは給油や一時寄港を指して、機材の乗り換えはありません。トランスファーは同じ航空会社でも別の機材に乗り換えたり、国際線ターミナルでの乗り換えを指します。

空港の乗り換えの難しいのが、忘れた頃に利用することが多いということです。初めて訪れる空港の乗り換えが難しいのはもちろんですが年に1回以下の利用頻度だと、うろ覚えで歩く方向が何となく思い出せる程度で、再び迷うことになるのです。

慣れてないほど不利な状況

経由の空港に到着後、場合によって「Passport Control」(入国審査)でのパスポートチェックが行われます。
アジアから中東、ヨーロッパ行きの便など大きくエリアを跨ぐ場合は必ず入国審査があるはずです。EU加盟国の間だと経由空港で入国審査を済ます場合もあります。乗り継ぎの航空会社が違う場合などは一度、荷物を受け取る必要もあります。同一の航空会社の場合はそのまま手荷物だけで通過できる事が多いです。
旅行に慣れていないと、この時点で不利な状況に陥ります。パスポートを機械にかざすだけで通過できる国も増えてきましたが、入国審査官が手作業で行う場合も依然として残り、乗客数百人に対して二名ほどで審査して何時間も掛かる場合もあります。ビジネスクラスの乗客でさえも小走りで入国審査に走って向かう人が居るほどです。
エコノミークラスの中では、ジョギング並のスピードで前の人を抜くのは恐らくこれが理由でしょう。運良く先頭で到着しても、先に別の航空機の乗客が行列をなしていることもあります。到着したら一直線に迎えるようにトイレや手荷物の整理などは済ませておいた方が良いです。
何カ国か経由で旅行したことがありますが、審査自体は優しいことが多く、日本人は何も言われずに通れる傾向にあります。一見にして旅行者ではない怪しい不法滞在をしそうな人に対しては、何十分でも質問責めにして、滞在予定地などを問い詰めるシチュエーションも見かけたことがあります。

荷物検査があることも

途中で手荷物を検査されることもあります。中東ではキャビンアテンダントから「酒は捨てたほうがいい!」と忠告を受けるのですが、お土産の酒を捨てる訳にもいかずに荷物検査を受けましたらお咎めなしでした。
イスラム圏は飲酒に厳しい国ですので、もし荷物検査で「捨てろ」と指示されたらすんなり従った方が良いです。また女性は夏場でも肩を隠したり、肌の露出を少なくするようにしましょう。経由地だと言っても現地のルールになるべく従っておいた方がトラブルに巻き込まれるリスクを減らせます。
荷物検査では規定の容量以上の液体は持ち込めませんし、靴を脱がされるのでスリッパを用意すると良いです。日本からの出国時もですが、予めベルトや指輪、ポケットの金属など全てバッグに入れておくとスムーズに通過できます。
ちなみに空港によって金属探知機の基準が大幅に異なり、同じチャーチの靴でも成田では警報がならずに羽田では鳴るなど差があります。国によってもイタリアはルーズで指輪ピアスなどしていても鳴らないなど差があります。

ターミナルが広い国際空港は迷う

空港の規模が大きくなるほど迷いやすくなります。
少し慣れていても入国審査と荷物検査を通過してヘロヘロになります。すかさず乗り換えの搭乗口ゲートを探します。出発時間が短くなっていたり、当初のゲートとは別の場所に移動していることも多々あります。
ひどいケースでは、経由空港への到着時間が遅れたにも関わらず、乗り継ぎの出発が定刻という事があります。そうなると本来は2時間以上もたっぷり空きがあったのに、到着時にはすでに遅刻。アナウンスで呼び出しされて、空港職員に連れられることも…。私は経験した事はありませんが、職員とともに入国審査に「すみません!あと10分なのです」と言いながら横入りしてきたグループがありました。

逆のケースもあります。カタール航空のドーハで2~3時間待ち、そのままローマに出発予定が6時間も遅れたことがあるのです!合計で8時間後の出発です。あまりに暇すぎてショッピングエリアを何周かして、ビジネスクラスラウンジで食事をして、ソファーで話したり暇を潰すのですが予想外のタイミングで8時間のスキマ時間は苦行です。

搭乗ゲートの英語聞き取り

まだまだ苦行は続きます。飛行機が遅延ということで、到着ゲートが直前にならないと分からないということです。
ラウンジに優しい職員が居れば、ゲートが決まると教えに来てくれますが、ショッピングをしたりレストランにいると館内放送を聞いて判断しなければいけません。中東の場合はアラビア語+英語、モスクワであればロシア語+英語などです。
何れにせよ現地語が分からなければ英語で判断するしかありません。ゲートの変更は現地語で2回、英語で1回という事がありますが一発で聞き取らないとアウトです。逃すと搭乗開始してから放送で個人名を呼ばれ、走って向かうことになります。
私は英語は苦手(日本語も苦手)ですが、聞き取りはそこまで難易度は高くなく、自分が登場している機材名+ゲート番号だけ聞き取れればなんとかなります。例えばエティハド航空のEY86便であれば、アナウンスに「EY86」が入っていれば自分の事だと思えばいいのです。後は電光掲示板なりに移動先と時間が書いてあるので、向かいます。

これもまた搭乗開始15分前ほどに呼ばれて、慌ただしく遠くからゲートに向かったりするのですが……。

地獄のターミナル移動

ただでさえ大変なのに、ターミナル内で電車で移動することもあります。
ターミナルがT1,T2,T3と分かれていて、ドメスティックや航空会社で分類されて分かりやすいのですが、T2の中にも1~150番あり、76~88は電車で移動(!)なども存在します。
ひどいと搭乗開始15分前に、「T23からT81に移動だよ!みんな今すぐ来てね!」なんて館内放送があり、私も含めT23にできていた行列がゾロゾロ遠方までミニ電車を使って移動することもあります。

これが二車両の電車であったり、地下鉄であったり、室内モノレールであったり、バスであったり国によって多種多様なのが困りものです。言い忘れましたが搭乗ゲートから飛行機までも連絡バスで20分以上…なんてこともあります。
地獄の例では真夏の連絡バスで「やっぱり飛行機が準備できてませんでした!」とアナウンス、蒸し返すバスの中で1時間近く…なんてこともあるそうです。立っている人は特に「一回戻って下ろしてくれ〜」と思うことでしょう。

連絡バスから降りると飛行機のドアまでアルミ階段で上り、やっと到着!長い長い乗り換えでした〜というのがお決まり。
まあこの後も、「あれ?私の席は?」だとか、「私の席の上の荷物入れが満パン!」だとか悩みは尽きないのですが、その記事はまたいずれ。

ああ、あと思い出した事がひとつ。
途中の空港タックスフリーで買った商品がビニール袋で密封されていた場合は、中身を出してはだめですよ。課税対象になってしまうので、その場ですぐに食べるもの以外はNGです。肉の加工食品など日本に持ち込めないものも多いのでご注意を。

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。