楽譜はどの出版社で買うのがいいのか?

ライター 高橋

みなさまこんにちは、ライター高橋です。私はわりと収集癖がありまして、洋服はもちろんCD、文房具、酒などなんでも並べて飾るのが大好きです。もちろん楽譜に関してもそれは変わりません。ピアノの楽譜はもちろん全く違う楽器の作品の楽譜などもついつい購入してしまうたちです。現在それらが本棚から溢れかえって収納に困る毎日を過ごしています。

さて、そんな楽譜ですが、皆様は普段どの様な選び方をしていますでしょうか?例えばベートーヴェンの「エリーゼのために」ひとつとってもあちこちの出版社が校正した楽譜を出版しています。もちろん値段も違えばデザインも違って、はたまた楽譜の内容までもが違ったりなどとどの様に選べばいいかが非常にわかりづらいものになっているかと思います。そこで、今日は楽譜の良い選び方を皆様にお伝えできればと思います。

師事している先生がいる場合

まず、どこかのピアノ教室などでピアノを習っている場合はもう単刀直入に先生に聞いてしまうのが一番です。なんて適当なアドバイスなんだと石を投げられそうな気がしなくもないですが、これは割と大切な事でもあります。楽譜の選び方というのはかなり好みが現れるものでもありますので、教えてもらう場合は先生がより教えやすいものを選ぶのが良いかと思います。先生によっては、出版社に良くも悪くも非常に拘る方もいらっしゃいますので、まずは師事なさっている先生に話を聞いてみましょう

多くの場合は「〜出版社の楽譜でお願いします。」と何かアドバイスを頂けることが多いかと思いますが、稀に「なんでもいいよ。」などと仰る先生がいます。

「ぶっちゃけそれが一番困るんですが!」と言いたいところですが、ここは我慢して自分で選ぶ他ありません。ヤマハやカワイなどの楽器店や、アカデミアミュージックやササヤ書店などの楽譜専門店、最近ではAmazonなどでも楽譜の取り扱いが行われていると思います。国内の出版社のものはもちろん海外の出版社のものまで多岐に渡っているでしょう。さて、ここから本題である、どういった楽譜選びをするのが良いかの話に入りたいと思います。

初心者もしくは独学の場合

個人的に、初心者や独学の方の場合は全音などの日本の出版社のもの一択かなぁと思っています。理由はいろいろあるのですが、まず圧倒的に値段が安いことにあります。

例えばベートーヴェンのソナタアルバムの1巻で比べても、外国の出版社であるヘンレ社の物などと比べてもリーズナブルになります。楽譜って買い揃えると結構な値段になってくるので、始めたてだったりする場合はまずは全音の物などで良いと思います。もう一つ日本の出版社の物をオススメする理由は解説の手厚さにあります。最近のものはましになってきたのですが、外国の出版社の物は割と解説が大雑把に書いてあることなどがあります。なんせ外国語なので、万人が読めるとも限りません。その点日本の出版社のものはもちろん日本語で書いてありますし、割と全音なんかは細かく書いてくれている感触がします。また、楽譜の内容に関しても、指使いや表情記号、場合によっては練習方法なんかまでもが書いてあることもあります。デメリットももちろんあるのですが、初心者の方や、独学の方の場合こういったアドバイス的な内容は非常に助かることが多いと思います。

中級者に差し掛かる場合

中級者の場合は二つ選択肢があると思います。一つは今まで通り日本の出版社のものを使うという選択肢になります。実際日本の出版社の楽譜は非常に優秀です。私も場合によっては参考にすることも多々ありますし、実際に私が見つけて使っていた全音のものなどを先生に見せたら大変良いとのことで、次のレッスンの際にはもうすでに先生が所有していたりといったこともあります。何か不満な点などが特になければそのまま日本の出版社のものを使い続けても問題はないでしょう。

しかし、このくらいになってくると一つ問題と言える点もあります。最初から楽譜にいろいろ書き込まれているということは、自分の新たな発見や、独自の指使いなどをメモしづらいという点です。人はそれぞれ十人十色ですので、当然指の形、腕の形も千差万別となってきます。なので、指使いなどは個人によって向き不向きが非常に出ます。なので、「自分は4の指で弾きたいのに楽譜には3と書いている。どうすればいいだろうか?」みたいなことが起きてきます。

そういった際は海外の出版社の原典版のものなどを買うと非常に捗ります。有名どころでいうと先ほどあげたヘンレ社のものなどが有名です。原典版はその名の通り、作曲家が書いた通りを忠実に再現しようとしている版になります。指使いは特殊な箇所でない限りは基本的に作曲家本人は指示を書いていないことが多いので、自分にあった指番号を書くことができます。また、良くも悪くもフラットな校正になっていることが多いので、先生としても個人的な解釈などを教えるに当たって使いやすい教材となっていると思います。

中、上級者もしくは音高や音大を目指している方

こういった方々はもうすでに自分なりの楽譜の見つけ方を持っているかと思いますが、参考までに私の楽譜の選び方を書いておくことにします。まず、作曲家に応じて最もメジャーな出版社の物を手にするようにしています。例えばラフマニノフであればブージー&ホークス版であったり、ドビュッシーなどはデュラン社の物であったりといった感じです。次に、メジャーな出版社がいくつかある場合は、両方手にする、あるいはより自分が適してると判断したものにしています。例えば、ショパンは昔からあるパデレフスキ版と最近現れたエキエル版がメジャーかと思います。私はどちらかというとエキエル版の方を選ぶようにしています。しかしエチュードなど場合によってはパデレフスキ版も所持するようにしたりと作品によって判断しています。また、ベートーヴェンなどはヘンレ版が一般的かと思いますが、最近はベーレンライター版にハマっており、ドイツ系の作曲家のものはいくつかベーレンライターも合わせて所持するようにしています。アルベニスのイベリアなどといったかなり読みづらいものに関しては状況に合わせて全音版なども合わせて購入しています。

こういった作曲家ごとのメジャーな出版社についてあまり詳しくないという場合は先生や友人に聞いてみるか、楽譜屋に直接問い合わせてみるというのも手です。私も非常にマイナーな作曲家の作品などを取り扱う場合は、念のため楽譜屋に聞くことが多々あります。調べればすぐ出てくることでもあるのですが、一応私がいつも選ぶ楽譜出版社を下に書いておきますので、もし参考になれば幸いです。

バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、ブラームス等ドイツ語圏の作曲家:ヘンレ版もしくはベーレンライター版

ショパン:基本的にエキエル版 場合によってはパデレフスキ版も同時購入

リスト:ムジカブダペスト版

ドビュッシー、ラヴェル:デュラン版

スクリャービン:ベライエフ版

ラフマニノフ、プロコフィエフ:ブージー&ホークス版

バルトーク:ユニバーサルミュージック版

近現代系:ショット版

ピアソラ:トノス版

一応ピアノ系に絞りましたが、ざっとこんな感じになります。まだまだたくさんありますが、他の楽器などのものはまたの機会にさせていただきます。

おわりに

いかがでしたでしょうか?皆様の楽譜選びが少しでもうまくいくことを願っております。また、楽曲に触れる際はインターネットでコピーしてくるだけでなく、紙でも電子書籍でも良いので必ず楽譜を購入していただけると幸いです。

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