ガット もう手に入ることのない世界最高の靴

GATTO ガットという靴をご存知でしょうか。

イタリアの上流階級にとって誂え靴の最高峰はこのGATTO ガットの靴と言われていました。

GATTO ガットは最後のオーナーであったヴィンチェンツォの祖父に当たるアンジェロによって、なんと第一次世界大戦勃発前である1912年に創業された長い歴史を持つ靴工房でした。今ではSILVANO LATTANZI シルヴァノラッタンジに職人が吸収される形でなくなってしまったGATTO ガットですが、今でも伝説的なビスポーク靴工房として靴好きに記憶されています。

GATTO ガットの靴はスミズーラ(オーダーメイド/ビスポーク)のみで受注されており、作るのにはとても敷居が高い靴でした。しかも、一足20万円~40万円というプライスにも関わらず、最初のオーダーは3足からしか受け付けていなかったため、本物の富裕層のみを対象にした靴職人だったと言われています。

ローマの美しい靴磨き職人として有名なロザリーナも、インタビューの中でGATTO ガットの靴について触れています。

選ばれた顧客の手元に残るのみ

ちなみにこのGATTO ガットの工房ではーか月に最高でも30足程度しか製作していなかったと言います。

全て手作業で削り出した顧客の木型を、顧客の歩き方や足の特徴まで詳しく記したオーダーシートと共に保存し、いつまでも最高の靴が作れるようにしていました。

GATTO ガットの顧客は世界中の富裕層、中でも王室や貴族など非常にハイクラスな人々が多かったと言われています。特にローマはイタリアの首都で政治の中枢であったこともあり、政治家の顧客が多かったことは想像できますね。

観光客の多いスペイン広場やヴェネチア広場の方ではなく、国会からほど近い場所にあったアトリエの立地も、そのことを示しています。

GATTO ガットの靴の特徴はいかにもイタリアンクラシックなややラウンドして、なめらかな造形。そして、触れただけで高級感のわかるきめ細やかなカーフレザーです。

ステッチやパーフォレーションを含めて装飾は全てが非常に繊細で、実に優雅な雰囲気です。

靴自体は決して重くなく、むしろ柔らかさを感じるほどです。

先ほども書いたように、世界最高峰と言われたGATTO ガットの靴は、職人がSILVANO LATTANZI シルヴァノラッタンジに吸収される形でなくなってしまいました。

今その靴を持っている人は幸運に恵まれた一部の顧客だけなのです。

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。