自宅でアイスティーを作ろうとすると白く濁ってしまう現象が起こることがあります。
この現象を「クリームダウン」と言いますが、タンニン(カテキン)とカフェインが結合することによって、分子が大きくなりクリームを足したように濁ってしまうのです。

一度クリームダウンしてしまうと、見た目が悪いだけでなく味も劣化してしまいます。

様々な解決方法が提唱されている

  • 冷蔵庫で冷やすので無く氷で急冷する
  • グラニュー糖を先に入れておく
  • 冷やしすぎない
  • アッサムでなくセイロンを使う
  • 茶葉の量を少なくする(※薄いアイスティーになる)
  • 後からお湯を入れる(※味は戻らない)
  • 味に大きな変化が無いので気にしない(※嘘情報)

このようにネットで検索すると様々な解決方法が提唱されています。
しかし、面倒なことをしなくても非常に簡単に美味しいアイスティーを作る方法があります。

「抽出時間を短く」と「注ぎきらない」

基本的には、この2つを気をつけるだけで簡単に透明なアイスティーができます。
クリームダウン現象には、タンニンが深く関わっている事は先ほど書きましたが、「高温の湯で長時間抽出する」ことによってタンニンが葉から湯に移るのです。つまり逆のこと、「低い温度で短時間抽出」すればクリームダウンは起こりません。

しかし、温度が低いと紅茶の香気成分が抽出できません。そこで100度に沸いたお湯を注ぎ、短い時間で抽出。
そして「注ぎきらずにやめる」ことが重要なのです。

この方法を行って、氷を敷き詰めたグラスなどに入れればまず濁ることはありません。
透き通った透明なアイスティーができます。

注ぎきらない理由は?

タンニンの分子はテアニンなどのアミノ酸と比べて重い分子なので、ティーポットの底に沈む傾向にあります。多くの人が茶を最後の一滴まで絞り出すようにして注ぎますが、その時に苦い成分が落ちているのです。しかも長く抽出するほどタンニンが出てきます。
ですので最後の濃い部分を注がなければ、クリームダウンで濁る可能性が極端に減るのです。

ホットティーでも「苦すぎる!」と思う時は、最後まで注がないのがコツです。紅茶マニアの中には「ゴールデンドロップ」などと称して最後の一滴を絞り出すようにして注ぐ人もいますが、この方法は牛乳を入れることを前提とした英国式紅茶にだけ言えることです。ミルクティーの場合は牛乳が苦味を抑えるので、むしろタンニンがしっかり出た方が「コク」を感じるのです。唯でさえタンニンが抽出され易い「日本の軟水」さらにはストレートで飲む文化の日本人にとっては最後の一滴は邪魔ものでしか無いのです。

細かい茶葉ほど短時間

もし日東紅茶やリプトンのようなティーバッグで作るのであれば、抽出時間は30秒程度で充分です。ティーバッグの茶葉はダストという細かく砕いた茶葉が使われることが殆どで、細かい茶葉ほどタンニンが抽出されやすいのです。ですので細かい茶葉は1分未満で充分です。一方で大きなオレンジペコなどは2分程度出しても良いでしょう。

裏ワザとしては、紅茶の旨味成分と香気成分は早い段階で抽出されるので、茶葉の量を2〜3倍にして高温の湯を注ぐ。
そして短い時間で注ぎきらずに淹れることによって、美味しい成分だけが贅沢にも抽出できるのです。

美味しい透明なアイスティーを作る方法

  1. 軟水の美味しい水を沸騰させる
  2. ガラスポットやティーサーバーなどに茶葉を多めに入れる
  3. もうひとつのガラスポット等に氷を十分に敷き詰める
  4. 熱湯を注いで20~30秒(細かい茶葉)、優しくスプーンで1回ぐるっとして氷に注ぐ
  5. その時に最後の濃い部分を注ぎきらない(大さじ2~3杯分の濃い部分を捨てる)
  6. 注いだ紅茶をスプーンでグルグル回して、きっちりと冷やす

これで完璧な美味しいアイスティーができます。
他にもコツがあって、透明な氷とコップを用意することです。コンビニで売っているようなロック氷でも良いですし、板氷を砕いたものもGOOD。家庭で作るなら煮沸させた浄水をジップロックなどに入れて冷凍庫で保存すれば安く作ることができます。上記の写真は家庭で作った氷です。

そして、その透明な氷を使ってきっちり冷やすことです。ぬるいと美味しくないのできっちり冷やしましょう。
後はバカラやサンルイなどの美しいクリスタルグラスに注げば完璧なアイスティーが完成します。

 

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1989年 静岡市出身。主な執筆分野:ライフスタイル、旅行、料理、お酒。