数年前、「パティーヌ」なんていう言葉は一部の靴マニアの物でしかなかった。

しかし今となっては一流の知名度を誇るラグジュアリーブランドとなったBerluti ベルルッティで、パティーヌは皆が知るものとなったのだ。

Berluti ベルルッティと聞くだけで、憧れの念が湧き上がる人は少なくないだろう。しかしその美しさと同じだけ、Berluti ベルルッティのバッグや財布には難しい部分もある。

今回はいちユーザーとしてBerluti ベルルッティを評価してみよう。

ベルルッティのバッグや財布は唯一無二の美しさ

Berluti ベルルッティのバッグや財布の一番の魅力は、その純粋な美しさである。

極上のレザーと職人による芸術的なパティーヌ、その二つを組み合わせて生み出されるBerluti ベルルッティのバッグには、他のブランドには決して真似できない美しさがある。

最近ではBerluti ベルルッティの人気に伴って、様々なブランドがBerluti ベルルッティ風のハンドペイントを実践している。

例えばイタリアの靴ブランド Santoni サントーニも実に美しいパティーヌのバッグを展開しているし、その他日本の価格帯の低いブランドにもグラデーションを売りにしたものがある。

しかしその色合い、その風合いをBerluti ベルルッティと比べれば、一目瞭然で違いがわかってしまうのだ。

Berluti ベルルッティのバッグには、実に奥ゆかしい光沢のレザーが用いられており、パティーヌの染料も上品な色合いだ。他者がBerluti ベルルッティ風のパティーヌに挑戦すると、どうしても色目が強烈すぎたり、光沢に品が無くなったりする。

ただ手仕上げだからというわけではなく、全てが研究され吟味されているからこそ、Berluti ベルルッティの美しさがあるのだ。

ベルルッティのバッグや財布の欠点とは?

しかしそんなBerluti ベルルッティのバッグや財布にもいくつか注意すべき点がある。特にこれから買おうとしている人には知っておいてほしいことだ。

まず、レザーが非常に繊細であること。ネットで検索すればBerluti ベルルッティのレザーが繊細で「慣れている人でないと扱えない」とはよく書かれている。

しかし具体的にどう繊細かは、日常使いしたことのある人にしかわからないだろう。

一番多く言われることであり、ブティックで購入するときにもスタッフから言われるのが、水に弱いということである。カフェでテーブルの上に財布を置いて、水滴でシミになるなどというのはよくある話だ。

しっかりと日頃クリームを入れることで水がついてもシミになりにくくなる。また雨の日は持ち出さないのが賢明だ。

ITAUBAのような財布やブリーフケースを使う上で気をつけるべきなのは、角折れがしやすいことだ。Berluti ベルルッティの財布がいかに美しくても、角が折れていてはエレガントとはいえない。決してポケットに入れず、バッグで持ち運ぶ必要がある。傷はつきやすいが、クリームで補色できる。

ちなみに最近Berluti ベルルッティの財布は内側がベネチアンレザーではなく、暗い色のカーフになった。これは日本の顧客が「色移りする」とクレームを入れた結果だという。ポケットの中は高温多湿で、色移りもしやすい。バッグで持ち運んでいる人には関係のない話だ。

ブリーフケース系で気になるのは、レザーの型崩れである。Berluti ベルルッティのベネチアンレザーはあまり厚手ではなく、どちらかといえば重さや引っ張りに弱い。そのためブリーフケース等は一度荷物を詰め込むと、そのままレザーが伸びてしまい、ベコベコとした波打ちができてしまう。

重いものを入れず、保管時には詰め物をすることで防ぐことができる。

ちなみにレザーの耐久性以外には、テイストが人を選ぶことも考慮したい。

そもそもカリグラフィの入ったバッグや財布はかなり派手な上、最近はインスタグラム等でBerluti ベルルッティをルイヴィトンやルブタンと並べて写真を撮る人も多い。最近は全体的にコレクション色が強く、モードブランド路線になっており、また細かいところでは、Berluti ベルルッティのバッグはクローム系のやや厳ついジッパーを使用しており、クラシックというよりはモード寄りの雰囲気がある。

それでもBerluti ベルルッティが欲しい人は

それでもBerluti ベルルッティが欲しい、という人はそのような点をしっかりと踏まえ、自分のライフスタイルにBerluti ベルルッティが合うかどうかをもう一度検討しよう。

比較的少ない荷物で車やタクシー移動がメインであれば、Berluti ベルルッティもバッグを優雅に使うことができるだろう。

もし荷物が多く、ハードに使うのであれば他ブランドのバッグも合わせて検討しよう。

 

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後天的イタリア人。 メンズファッション、車、オペラ等について執筆する兼業ライターです。 本業は田舎の洋服店。